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斥候型偶数シャーマン総論 part2-3

前回(part2-2)および前々回(part2-1)の続きです。

今回は斥候型偶数シャーマンに採用した6マナ以上のカードについて、細かい話をします。とはいえ特徴的な2,4マナ帯と比べると、6マナ以上の採用カードは斥候型と通常型で大きな差はありません。そのため通常型にも通じる部分があると思います。

斥候型も通常型も、偶数シャーマンは序~中盤に注力し、リードを奪うことが狙いのデッキなのは間違いないです。しかし、アグロほど速く相手のライフを削れるわけではないため、終盤まで丁寧に進める必要があります。

高マナのカードについて理解が足りないと、せっかく奪ったリードを手放してしまうかもしれません。また中盤のプレイ決定には、手札にある高マナのカードをどう捉えているかが反映されます。終盤の構想をしっかり持ち、中盤の精度を高めるためにも高マナのカードを深く理解しておきたいですね。

ファイア・エレメンタル

やや時代遅れな感は否定しませんが、結局は強いカードです。出した瞬間に3点を飛ばせるのは貴重な効果で、例えば最近多いハンターにも効果的です。中盤までで劣勢なときも、逆転の糸口となるパターンの多いカードです。

エレメンタル種族なのも大きな利点です。7マナ時にプレイして原始の王カリモスに繋げるのは美しい展開です。もっと後のターンにおいても、盤面に干渉しつつカリモスの可能性を残せることは非常に強力です。

特に相手のライフが少ない場合、3点をどこに飛ばすかよく検討しましょう。ウナギ、ファイアプルーム、カリモスと顔に飛ばせる打点は多いです。挑発ミニオンが出てこなそうなら突撃ミニオン達も加えて、盤面を無視した方が勝ちやすいケースもあります。

 

アージェントの司令官

やや時代遅れな感は否定しませんが、結局は強いカードその2です。躯の駆り手の聖なる盾要因でもあるカードで、通常型では1枚採用が一般的です。しかし試合が長引きやすい斥候型では、躯に聖なる盾が付かないリスクは極力減らしたいです。単に斥候の当たり枠も増え、遅いデッキとも戦いやすくなるため2枚採用としました。

中盤までに有利をとっていれば、突撃でライフを4削りつつも盤面に残り、しかも除去しづらいミニオンなため非常に強いです。また盤面が拮抗している場合でも、1対2交換に持ち込みやすいのが魅力です。とにかく盤面へ即時に影響でき、バフとも相性の良いカードなので、偶数シャーマン適性は高いと言えます。

考えるべきは、上述したファイア・エレメンタルアージェントの司令官が両方手札にいるとき、どちらを先に出すかです。今3点を飛ばしたいとか、次のターンにカリモスを出したいならファイア・エレメンタルで良いでしょう。逆に後々3点を飛ばしたいミニオンが出てきそうとか、あるいは(カリモスのために)まだエレメンタルを手札に保持しておきたいならアージェントの指令官を先に出すことになります。

注意したいのはサイズの大きな挑発です。盤面が空だとアージェントの司令官が出したくなりますが、返しに出てきた挑発が倒せずに攻めが止まってしまうと微妙です。特にリッチキングのようなミニオンが倒せないと、決着がつきかねません。自分だけでなく、相手の展開も想定してどちらを先に出すかを決めましょう。

 

ゲン・グレイメイン

流石に書くことはありません。サイズだけ見ればファイア・エレメンタルと同じなので、出せる暇があるうちに出す方が後々の"キズ"になりにくいです。

 

リッチキング

特に気にする点はなく、どう使っても強いミニオンです。除去を他のミニオンに使わせたうえ、盤面が空に近い状態で出せれば最善なのは間違いありませんが、いつもそれが出来るわけではないです。特定のデスナイトカードが非常に強力な状況であれば、多少勿体なくても出して良いです。

 

風の王アラキア

躯の駆り手のためにあるかのようなミニオンです。序盤に引くと躯に疾風が与えられないため、引かないことを祈りましょう。逆に終盤は盤面処理、打点の両用で非常に強力です。炎の舌のトーテム大地の力と合わせれば10マナ10打点なので、最速で出すのか、それとも待つのかは状況との相談になります。

別にリーサル専用のカードではないので、十分強いと思ったら思い切って出しましょう。一応エレメンタルなのも使いやすい点です。

 

原始の王カリモス

説明不要の強カードです。4つの効果からの選択ですが、どれもそれなりに選ぶ機会があります。プリーストのゼレクのクローンギャラリーやハンターのズルジンに対してなど、マッチアップと展開によってはこのカード(又は魔女ハガサ)を温存しておく必要があります。エレメンタルはデッキに多く採用しているので、焦らず最も効果的な局面まで待ち、最も効果的な選択をしましょう。

トップでこのカード(又は魔女ハガサ)を引くしか勝ちの目がないなら、エレメンタルを使用しておくことは非常に重要です。数多くの逆転を作り出してきたカードを信じましょう。

 

魔女ハガサ

このカードのおかげで、偶数シャーマンはリソース勝負にも希望をもちやすいです。雄叫びの3点AOEも含めて、カリモスと並んで劣勢を跳ね返す力を持っているカードと言えます。相手によっては温存しなければならないのも、カリモスと同様です。

このカードでリソース勝負に踏み切る際に重要なのは、自分のライフです。呪文で回復が引けるかどうかは結局のところ運次第なので、なるべくライフを削られすぎないようにしたいです。獰猛なスケイルハイドの2枚採用が、ここで効いてきます。仮に2枚とも引いてしまい躯の駆り手が生命奪取を持たないとしても、スケイルハイドをバフすれば回復量は確保できます。原始の王カリモスで回復することもよくあります。

ファティーグ勝負まで視野に入れる際には、斥候型は通常型と違い、輝く瞳の斥候によってデッキを減らしていることに気をつけましょう。デッキを全く掘らない相手に対しては、デッキ枚数で優位に立つのは難しいかもしれません。

そこまで長い試合に限らずとも、ハガサは十分に強力なカードです。彼女の強さを引き出すには、雄叫びの3点AOEをなるべく効果的に利用することです。一刻も早くハガサになるよりは、雄叫びが有効になる場面まで少し待ってみると得をしやすいです。さらに残ったマナでミニオンがプレイできれば、盤面の先手も取り返すチャンスになり、ハガサは最高の仕事をしたと言えます。

 

海の巨人

通常型ほどはミニオンが横に並ばない斥候型でも、十分に強力なカードです。軽くなるうえAOEに強いので、偶数シャーマンに分かりやすく縦の強さを追加してくれます。このカードが序~中盤に出るとゲームが決まるレベルで強いので、(part1のマリガン図には入っていませんが)マッチアップによってはキープしても良いと思います。

手札に引いているときに限らず、このカードが何マナになっているかは常に考慮してプレイを選びましょう。また輝く瞳の斥候でこのカードを引いた際は、コストが5になってから更に盤面のミニオン数だけ下がります。斥候の超絶当たり枠ですね。

 

 

ようやく全カードが終わりました。全部読んでくださった方がいるかは分かりませんが、興味のある部分だけでも読んでいただけたのなら幸いです。僕としては、part2-1から2-3までを書く過程で自分の考えが整理でき、今後カード入れ替えを試してみたいカードも絞れたので、得たものは大きかったです。

図も表も無かったりだとか、マッチアップ編を隔離したために具体的な話がしづらかった点などは素直に反省して、もし機会があれば次に生かしたいと思います。

ご意見、ご質問などあればコメントやtwitterでもいいので気軽に聞いてください。不出来な長文にお付き合いくださりありがとうございました。